国民生活センター「有料老人ホームをめぐる消費者問題に関する調査研究」公表
2000年の介護保険法施行を機に急増している有料老人ホームの消費者問題について、国民生活センターは3日、調査研究報告書を公表した。

調査結果によると、過去3年間に退去者(死亡は除く)がいるホームは82.5%であり、退去理由としては、「病気治療」(63.7%)、「けがの治療」(20.3%)が多いが、「大声や暴力、徘徊など利用者が迷惑」(8.8%)、「ホームのルールや指示を守れない」(6.8%)、「高齢化に対応できない」(2.4%)もあった。重要事項説明書の事業者からの契約解除事由をみると、「信頼関係を維持できなくなった場合」「他の入居者との間で問題を起こした場合」「共同生活の秩序を乱す行為があったとき」「暴力行為があったとき」などが記されている。同センターは、「終身利用」や「終身介護」をうたいながら、認知症による不合理な行動が発生した場合や重度の介護状態の場合に、それを理由に事業者側から解除できるとする条項は問題があり、優良誤認を与える不適切な表示であると指摘し、介護できない場合があるならば、どのような状態であるかを明示することが重要である、としている。

また、各地の消費生活センターへ、届出をしていないホームを含む有料老人ホームに関する相談として、入居金や入会金の返還に関するものも多く寄せられていることから、「入居一時金は何の対価として支払うかを表示し、退去時の清算の根拠を明示することは不可欠」とし、「入居後も一定期間は契約を撤回できるクーリング・オフ類似の熟慮期間の制度を設けることが適切」と提言した。

同センターでは、これらの調査結果と消費者相談事例より、有料老人ホーム選びの主な注意点を以下の通りとしている。
1.居室は個室か、介護はどこで受けるかを確認
2.一時金は何のために払うか、退去するときは戻るのかを確認
3.入居率、退去者数と退去先をみて、ホームを比較
4.夜間の勤務職員数と有資格者の人数から安全と質をみる
5.倒産の心配をしなくてすむように経営内容をみる
6.介護サービスの実施の有無と費用を1つ1つ確認
7.重要事項説明書と契約書(要介護時の契約者は特に重要)を事前に入手
8.体験入居をして確認すること
9.介護の現場をじっくり観察する
10.成年後見制度を利用する 

*詳細は国民生活センターHPより、「報道発表資料」ページの『有料老人ホームをめぐる消費者問題に関する調査研究』をご参照ください。
(2006.3.28)