高齢者虐待、過去最多の16,764件〜平成22年度厚生労働省調査〜
厚生労働省は12月6日、平成22年度における高齢者虐待についての対応状況等の調査結果を公表した。平成22年度に家族などの養護者や介護職員による虐待について相談・通報のあった件数は25,821件で、前年度より2,009件(8.4%)増加、うち調査の結果虐待を受けたと判断された件数は16,764件で、前年度より1,073件(6.8%)増加した。2006年度の調査開始以降、相談・通報件数、虐待を受けたと判断された件数ともに4年連続で増加、過去最多を更新した。家族などの養護者による虐待についての調査結果は以下の通り。

○家族、親族、同居人等、高齢者の世話をしている養護者による虐待
・ 平成22年度に相談・通報のあった件数は、25,315件であり、前年度より1,911件(8.2%)増加した。
・ 相談・通報者は、「介護支援専門員等」が43.4%で最も多く、次いで「家族・親族」12.6%、「被虐待高齢者本人」10.7%であった。
・ これら通報・相談に対する市町村の事実確認調査は「訪問調査」63.2%、「関係者からの情報収集」32.2%、「立入調査」1.0% により実施された。
・ 調査の結果、虐待を受けた又は受けたと思われたと判断された事例は、16,668件であり、前年度より1,053件(6.7%)増加した。
・ 虐待の種別・類型では、「身体的虐待」が63.4%で最も多く、次いで「心理的虐待」39.0%、「介護等放棄」25.6%、「経済的虐待」25.5%であった(重複あり)。
・ 被虐待高齢者は、女性が76.5%、年齢は80歳代が42.2%であった。要介護認定の状況は認定済みが68.3%であり、要介護認定を受けた者を要介護度別に見ると、要介護2が21.6%、要介護1が20.1%の順であった。 また、認知症日常生活自立度彊幣紊亮圓蓮被虐待高齢者全体の47.1%を占めた。
・ 虐待者との同居の有無では、同居が85.5%、世帯構成は「未婚の子と同一世帯」が37.3%で最も多く、既婚の子を合わせると63.7%が子と同一世帯であった。続柄では、「息子」が42.6%で最も多く、次いで「夫」16.9%、「娘」15.6%であった。
・ 虐待事例への市町村の対応は、「被虐待高齢者の保護として虐待者からの分離」が32.5%の事例で行われた。分離を行った事例では、「介護保険サービスの利用」が37.7%で最も多く、次いで「医療機関への一時入院」が20.1%であった。分離していない事例では、「養護者に対する助言指導」が49.8%で最も多く、次いで「ケアプランの見直し」28.8%であった。
・ 権利擁護に関しては、成年後見制度の「利用開始済み」が310件、「手続き中」が233件であり、うち市町村長申立は223件であった。
・ 市町村で把握している平成22年度の虐待等による死亡事例は、「養護者による殺人」10件10人、「介護等放棄(ネグレクト)による致死」6件6人、「心中」4件4人、「虐待による致死」1件1人で、合わせて21件21人であった。

*詳細につきましては、厚生労働省のホームページより、「平成22年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」をご参照ください。
(2011.12.10)